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渋谷・夜バスの旅

 今日は仕事帰りに渋谷で映画。作品は「PTU」、場所はユーロスペース。上映作品は好みのものが多い劇場だが、スクリーンが小さく客席が穴蔵のようなのがちょっと残念(同じ理由でシネアミューズもよほどのことがない限り行かない)…以前にここでタルコフスキー特集を見たときは、3作全部途中で寝てしまった。

 上映開始前の待ち時間にぼんやりしながら、昔ここに来たときの状況などを思い出す。初めて来たのは約20年前になるんだ(爆)、作品は「ファンタスティック・プラネット」だった。今ではお笑いだが、当時恋愛がらみでショックな出来事があってその気晴らしだった。映画の世界は充分堪能したが心の奥底の寂しさ、悔しさ、虚しさは拭えなかったと思う。(その件は、結局10年後に退職するまで完全にはふっ切れなかった←ほんとバカ)あとは「ママと娼婦」とか「アトランタ・ブギ」とか「ねじ式」なども見たなあ。最後に見たのは中原康特集だったかな。そのときの観客でデカイ声で自分の夫の葬式の話をしていた人がいて、その後その人を大森の映画館で見かけたんだよな。とにかくここも自分の記録が層をなしている場所なのである。この映画館で香港映画というのは私には違和感があるが、とにかく楽しもう。

 映画は、香港映画らしくて面白かった!ロケ地になったところもおなじみの場所で親近感がわいたし。でも大スターが出てないんだよね、それがちょっと寂しい…スターはみんな老けるか亡くなるかで、中堅どころで作品の良さで見せていこう、という感じなんだろう。終わって外に出たら、結構な人が待っていてびっくり。何の作品かと思ったら、「みうらじゅん映画祭」だった。そうだ、そんなのあった、やられた~!!ちらしを確認したら良さそうなものはもう終わっていた。

 帰りは、昨日の思いつきで渋谷からバスで帰ることにする。予め路線や乗り場を調べておいたので楽勝(じゃないと大変)。乗ったら全部席が埋まっていてショックだったけど、バスはすぐ走り出した。

 歩きもいいけどバスも視点が変わるので風景が違って見えて面白いなあ。やっぱり歩くよりずっとスピード速いし(笑)。高架下をずっと走っていくのだが、この雰囲気、覚えが…と思ったら香港だった。その他の海外旅行でも、空港から街への道は高速道路や高架下が多いので、同様の雰囲気になるのである。上海やバンコクもそうだった。

 夜のバスで知らない街を走っている感覚も好きである。いつも、宇宙船に乗って異星をさまよっているような気分になる。自分がいまこの社会にいることが人ごとのように感じるのが自分でも不思議である。よその星の生活を見てはいるが決して自分が溶け込むことはない。この感覚は何なのだろう。そう、言うなれば正体を隠して地球に暮らす宇宙人なのだ、私は。安いアパートを借りて派遣で勤めに行くことまではできるが、それ以上に社会に溶け込むにはものすごく無理をしなければならない。普通の生活がピンとこないというか、現実感を見出せないのである。自分自身が最後の牙城、譲れないのである。

 バスはそんなに信号待ちをすることもなく終点に到着。至福のときだった。

 都内はまだまだ出会っていない風景の宝庫。もっとバスを使って新しい風景に会いに行こう。

 

 

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