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ヨコハマメリー

 先週の火曜、下高井戸のレイトショーに行った。実はこの映画は2度目。初見のときもすごく感動したのだが、感動をうまく言葉にできず感想を書き込めなかったのである(苦笑)。今回は上映後に監督とプロデューサーのトークショーもあって偶然のおまけに感謝する。

 メリーさんのことを知ったのは20年以上前(!)、高校生のとき。愛読していたエッセイに、メリーさんのことが書かれていたのである。このときはただ「元町あたりで見かける女の人」という表現だけで、メリーさんという名前も身の上のことも書かれていなかった。

 その後進学を機に横浜に住むことになり、雑誌かなにかでその女性がマリーさんとかメリーさんとか呼ばれていて結構有名な人だと知った。「横浜でこの人を知らないとモグリ」とかいうのでぜひ一度お目にかかって真のハマっ子になりたいと思っていた。

 実際にメリーさんを見かけたのは横浜を出てからの86年頃、コンサートを見に来た神奈川県民ホールでだった。ロビーのベンチに一人休んでいるメリーさんを見つけたときはあまりに唐突な出会いにただ驚いてしまい、その後「やっとメリーさんに会えた…」とじわじわ感動がわいてきたのを覚えている。(ちなみに、クラシックやオペラのコンサートではない)

 映画を見て、まず出てくる風景が私の知っている風景ばかりなのに驚く。伊勢崎町や関内はもとより、横須賀のドブ板横丁とか、川崎とか…。でもその割に横浜にどういう人がいて何が起きていたのかほとんどわかっていなかったということがわかった。永登元次郎さんとか根岸屋のこととか、たいへん興味深くて面白く、ぐいぐい引き込まれてしまった。

 映画で一番に感じるのは「横浜の人は優しい」というか、メリーさんを何気なく支える街の人がみんないい人なのが素晴らしい。もちろんメリーさんの気骨ある生き方もすごいけど。人が街を作るのか、街が人を生み出すのかはわからないけどとにかく横浜の懐の深さはすごい。

 私が横浜に住んでたころの行動範囲は結構メリーさんと重なっていたのになぜか出会えなかった。時代的にも結構面白かったと思うのだけど、自分に感じる力がなかったと思う。(まだ旅人として目覚めていなかった)ただ漫然と過ごしてしまって、かえすがえすも残念に思う。

 それから、この作品のポスター画を描いているのが宇野亜喜良さんだったというのも自分にとってはびっくりの偶然。宇野さんは前出のエッセイの著者と一時結婚されていた人なのである。なんか、自分が今まで見聞きしたり体験してきた断片がつながった気がした。

 私にとってこの作品は鑑賞するというより体験するというほうが合っている。体験しながら自分の人生を掘り起こし、見直しているのである。私もメリーさんのように貧しても自分の美意識は失わないようにしたいと思う。

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