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カセットテープ

 数年前、故障によりミニコンポを処分した。代わりのオーディオ機器を検討しなければと思いつつ結局ラジオとパソコンで代用している。このシンプルさが慣れると心地良く、最終的にはパソコンにスピーカーを追加する程度でオーディオ専用機器は買わない方向になると思う。

 コンポなきあと、再生機器がないカセットテープが50本あまり部屋に残された。もう処分しなければ…と思いながらどうしても手が出せなかった。1本1本、数百円出して買ったものだし(当時の私には安くない出費)テープやケースに沢山のプラスチックが使われていて結構な量の不燃ゴミだし、テープ1本作るのにすごい手間暇かけているし…とにかく、いろんな意味で重すぎてあっさり捨てられなかったのである。でも、この夏休みの宿題ということで処分することに。

 「思い切って捨てる」という意味ではそのまま捨てるのが一番いいんだろうけど、弔いとプライバシー保護(?)の意味を込めてまずはケースからインデックスを取り出し、カセットのラベルをはがす。久しぶりにケースを開けてインデックスを取り出してみると、友人がダビングしてくれたものが目に止まる。今は交流のない昔の友人の筆跡。誰の字か思い出せないものもあった。わざわざワープロで作ってくれたものも。位置合わせが大変なんだよね。自作のでも、曲名を英文タイプで打ったものなど出てきて、1本1本に本当に手をかけていたよなーと懐かしくなる。カセットのラベルとか、ダビング防止の爪を取った後をテープで塞いでいるものとかを見て、あーそういえばこんな構造だったと思い出したり。もちろん、曲名を見て昔好きだったアーティストのことや、あの時代を思い出したり。あの頃、音楽ダウンロードの時代が来るなんて予想もしていなかった。最初の頃は青春の挫折の思いが蘇ってきて気分が沈んだが、結果として思いを断ち切る良い作業になった。

 手提げ袋1個分の量だけど提げたらずっしり重く、2つに分けてごみ置き場へ。

 一つ手放したから、一歩前進してまた新しいものが入ってくる…と思いたい。

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