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テアトル銀座で「世界」

 ホテル西洋銀座が5月末で閉館というのはかなり前からニュースで見ていたけど、「ひょっとして、テアトル銀座が入ってる建物か?」ということに気付いたのが半月前。調べてみたら、やっぱりテアトル銀座も5月いっぱいで閉館だって!閉館前にお別れしに行かないと!

 テアトル銀座は、会社員の頃よく行っていた。一番覚えているのが、地下鉄サリン事件の当日か翌日に地下鉄に乗ってレイトショーを見に行ったこと。あとは、上映時間が長い作品ばかり集めたレイトショー特集があって、珍しい作品ばかりなので足繁く通ったこと。「木靴の樹」とか「こうのとり、たちずさんで」とか眠くなるような作品ばかりを会社帰りの疲れた体でぼんやり見ていたことを覚えている。映画が終わると、終電を気にしつつ閑散とした銀座の街をダッシュしていたなあ。あの時の光景とか。

 プー太郎時代にも何回か来たと思うが、安さに負けてシネパトスの方が圧倒的に多かったかな。でも派遣を始めてから新宿中心に行動することが多くなり、足が遠ざかっていた。

 それから忘れがたいのが、派遣になって2、3年目の頃映画好きな派遣先の社員Kさんとここに映画を見に来たこと。「ブルー・エンカウンター」という香港映画だった。ところが…私は映画館では、全体を見渡したいので後ろ側に席をとるのだがKさんに「私は目が悪いからいつも前の方に座るの」と言われ仕方なく最前列へ。私には画面が近すぎて、目が回ってあまり楽しめなかった。お昼仲間だったので映画の話はよくしたが、結局一緒に映画を見たのはこの一回だけだった。そして私の退職後何年かしてKさんは亡くなられた。

 それから、記憶違いでなければ、下の「ル・テアトル」で「2001年宇宙の旅」と「サウンド・オブ・ミュージック」を見ていたく感動した。あの頃働いていた八丁堀の派遣先はきつかった…というのと共に思い出す。

 「世界」は一度どこかで見て、もう一度見たいと思っていたのだが中国映画祭でもスケジュールが合わなくてどうしても見られなかった作品。銀座で20:40から2時間なんて、病み上がりで働く身にはきつそうですごく迷ったけど、やっぱり見たい作品を見た方がいいよね、と思い切って出かけた。

 久々に来た銀座一丁目。おーこの風景だ!そういえばコージーコーナー懐かしい!映画前に、近辺のカフェみたいなところで食事をしたこともあった気がする。正面から見て、もみの木をかたどった建物なんだと今頃気づく。いつも映画館直行で、下のレストランに入ったこともないし、上階がホテルだってのも知らなかった。

 エレベーターに乗って映画館へ。受付を通って中に入るとここからなぜか独特の緊張感がある。待合が狭いせいかな。小さいけど上質な、濃密な空間。椅子も包み込むような座り心地なのだけど、足元が狭くて足は伸ばせない。心地よい閉塞感ってところか。

 そして、映画…初見のときの感動・感傷が甦ってきた。自分も田舎から出てきてあがいている人間だから、劇中の人に自分の人生を重ねあわせる。覚えていないシーンもたくさんあり、改めて良く理解することができた。

 そういえば、前述のKさんは主役の女優さんにちょっと似ているのである。私がジャ・ジャンクー作品をが好きなのはそのせいもあると思う。

 Kさんとの思い出の映画館で、Kさん似の女性が出ている映画を見る。映画館へのお別れとともに、Kさんへの追悼にもなったと思う。

 

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