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捨てる女

 ずっと前に薦めていただいた本、やっと読むことができた。乳がん患者でヨガもやってて断捨離に目覚めたというのが著者の内澤さんと私の共通点だ。著者がラジオに出演した時のポッドキャストも聴いたが、「友人からの手紙が捨てられない」「家具を捨てるのには結構お金がかかる(ので捨てづらい)」「片付け始めは、食べ物から」などと話していた。それらの話がどういう風に描かれているんだろう。

 心して読み始めるが、相変わらずこの著者の文体は私には読みづらい…一人称が「あたし」ってのも引っかかるし。椎名林檎じゃあるまいし、普通に「私」でいいのにね。いっそのこと「あたい」にしてみたら、なんて思いながら読み進む。

 しかし、この本は巷に溢れる「モノを捨てたら気分がすっきりして運気も向上♪」という「断捨離シアワセ本」ではない。「捨てる」前に「モノが著者のところに来た過程」を楽しむ本なのである。

 著者はごく普通のように書いているが、廃屋を借りて豚を飼ってみたりとか、普通の人はやらないようなことばかりやっている。そしてその結果、普通の人は手にしないようなものが来てしまい、捨てなくてはいけないはめになっているのである。また、「シンプルな生活にしよう」と思うあまり、トイレットペーパーを使わない生活に挑戦したりして、著者の着眼点とこだわりが面白い。

 そして、普通の断捨離本と一線を画すのは、著者が捨てたことを結構後悔していることなのである(笑)

 私自身、いまでこそ「シンプル、シンプル」とお題目のように言っているが、元々はそうではなかった。古めかしいもの、謎めいたものがごちゃごちゃ置いてある洋館のような家が好きだったのだ。だから、著者の古書コレクションがちょっと羨ましかったりする。

 結論「捨てるには、捨てるものを手に入れる甲斐性が必要」持たないと、捨てるという行為はできないのである。

 

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コメント

やまさん、コメント返し遅くなりました。「シンプルって本当にいいのか?」と改めて考えさせられる本でした(笑)持てる能力のある人はたくさん持つのもいいですが、やはり一般人は「買わない捨てない」が一番ですね。

投稿: 遊民 | 2014/07/16 22:20

僕も数年前に、シンプルに暮らすことに異常にこだわって、手持ちのあらゆるものを処分しました。すっきりして身軽になった反面、処分したことを後悔した物もあります。結局、これがシンプルライフの正解ってのは全くわかりませんし、何だかんだで手持ちの品物が微妙に増えたりしています(笑)

ただ一つ言えるのは、機能の重なる商品を複数所持しないことだと思うのです。たとえば、ご飯を炊くのに当たり前に炊飯器を買いますが、鍋があれば同じ事ができますし、鍋は他の調理にも使えます。これで、余計な物が一つ減ります。何かを購入したくなったら、手持ちのもので同じ事が出来ないかを考える癖をつけるのも物を無駄に増やさない方法の一つだと思います。

投稿: やま | 2014/06/20 23:12

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