癌と闘わない-私の選択
乳がんが発覚してから乳がん関係のブログを色々読むようになったが、この本の著者のブログは当初から印象深かった。まずブログに載っている著者の写真がめちゃ美人なこと(笑)、闘病ブログが多いのに無治療を選択していること、そしてブログの内容も日常生活とペットの猫が中心で淡々としながら達観した感じと…。その後乳がんブログ村から抜けてしまったけど、ずっと読ませてもらっている。ブログをまとめた本はあまり好きではないけど、どんな風にまとめているのか興味があり読んでみた。
この本で一番興味深かったのは、著者の生い立ち。いわゆる毒親に厳しく躾けられ、あまり幸せな子供時代ではなかったとのこと。小学生時代から土日は子供が食事の支度とか、門限があったりとか、明治時代かって感じ。「とにかく、食事の時間が苦痛だった」というのが悲しい。ご飯だけが楽しみだった私なんてとても耐えられない世界。
でも、この子供時代のおかげで著者の達観した人生観が培われ、「自分で人生を切り開いていく」という姿勢にもつながったのだからすごいと思う。育った家がひどくても、運命の人と出会ってしっかり家族を築いているのだから羨ましい。穏やかな家庭に育ったけど、おかげで家から精神的に独立できてない(他人と暮らすより育った家が安心と思ってしまう)私はおおいに反省。
それから、ブログだと日常の楽しいことしか書いていないけど、著者の詳しい病状もこの本で知ることができた。がんが体表に出て来ているので出血がひどいこと。痛みも強く麻薬が欠かせないこと。自分の体験では、手術より放射線治療がイヤだったので、がんが体表に出てくる状況に耐えられるかなと思った。がんは治療してもしなくても結構壮絶なのだ。「癌と闘わない」と謳っているけど無治療も闘いだ。
そして、無治療というのは周囲を心配させるのか。当事者として、私だったら手術だけはするかなと思う。でも結果として、著者の場合は無治療で正解だったと思う。
がんとの向き合い方は人それぞれ。自分の心の声を聞いて進もう。
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