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若者のすべて

 先週に続き、ヴィスコンティ作品お勉強シリーズ。この作品もタイトルだけずっと知っていたけど見ていなかった作品。しかし「若者」って言葉がかえって古さを感じさせる。予想では「家族の肖像」のような70年代イケイケな若い子たちの話かと思っていたけど、違った(><)

 モノクロ作品だし、後年の貴族趣味満載なところは一切ないどころか南部から都会へ出てきた貧乏な家族の話。田舎から出てきたけど中々定職に就けなくて日雇いの仕事をしてたり、今の日本みたいだ。そして若い男性でもラクダのシャツみたいなのにももひきはいてたりと、なんだか昭和の日本映画を見ている錯覚に陥る(笑)日本だと高度経済成長期だけど、この頃イタリアも同様だったようだ。一家が住んでいるのも近代的な団地だし。

 5人の兄弟それぞれをメインにしたエピソードで話は進むが、都会で堅実に人生を発展させていく長男・四男の他に道を踏み外してしまう次男と、同じ女性を愛してしまい次男の尻拭いに追われる三男をメインに話は進む。兄弟が5人もいれば、全員が真っ当な人生を歩むことはまずない。光もあれば闇もある。次男は困った男だが、家族の闇の部分を引き受ける役になってしまったのだろう。そして次男を救おうとする三男(アラン・ドロン)。最初はアラン・ドロンの割に地味な役と思っていたが話が進むにつれどんどん凄みを増した顔つきになり、ただ美しいだけに終わらない演技力に感嘆した。

 映像も凝っているし、話のテンポも良く飽きないし、次男と三男と女性の結末はギリシャ悲劇を見ているかのよう。含蓄深い作品だった。後で、作品について色々調べたらシモーネ役とナディア役の人はその後結婚してたり、アラン・ドロンを始めとしてイタリア人以外のキャストが意外と多かったり興味深かった。

 鑑賞後も余韻がじわじわ来る。今のところ、ヴィスコンティ作品では一番好きかも。

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