香港残照2017 その4

<映画>
 前回の旅はヘボヘボだったけど、唯一良かったのが映画館で見た映画!やっぱり香港で見る映画は最高ということで、今回も一度は行こうと思っていた。しかし、いざとなると気が重くて…昔の映画館は、座席表を指さすだけで良かったので言葉ができない私でも割となんとかなったのだが、最近の映画館は見る作品名と希望する席番を自分で言わないといけなくて、ちょっとハードルが上がって面倒なのだ。

 今回、見たい作品がシネコンでしかやってなくて仕方なく初めて旺角のシネコンへ行ってみた。まず、料金が100ドルもして高い~昔、封切館は50ドルでそれでも高いと思ってたのに。タイトルと席選びはなんとかなった。そして、直前まで館内に入れない。この映画館は1フロア1スクリーンで、かなり上の階までエスカレーターで上がる。スクリーンが結構大きくて、いいぞいいぞ。

 見た作品はラウチン主演の「毒誡」田舎のチンピラ3人組がヤク中から立ち直り、更生していく話で麻薬取締局ご推薦みたいな映画なのだがそこはどっこい香港映画、安い説教映画ではなく普通にアクション映画だ(笑)70年代が舞台なので街並や出演者のファッションがレトロで九龍城も出てくるし、いいわ~出演者もラウチンに林家棟にゲスト出演で古天楽と、もう抜群の安定感(笑)途中、福岡ロケもあったりしていろんな意味で面白い。たぶん日本でも公開されると思うから逃さず見に行こうっと。

 話は映画館に戻って、昔の映画館はチケットのもぎり方が「持たせ切り」(客はチケットを持ったまま、もぎりの人が半券だけちぎっていく)でそのテキトー&乱暴さが香港らしくて好きだったのだが、今回行ったシネコンでは日本みたく係の人が一旦チケットをもらって、半券を切って返すやり方になっていた。なんかちょっとさみしいな。

 それから、中には入らなかったけど金鐘にあるシネコンはエントランスがすごい豪華だった。映画館は減ってるけどその分豪華な雰囲気を味わう方向へ行っているようだ。

 香港に映画館がある限り、私はやっぱり香港へ行くと思う。

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Smoke

 少し前にリバイバル公開され、見たいと思いながら見そびれていた作品。初見は96年頃かな…最近、この頃見た作品のリバイバル上映が多くてなんか嬉しい。

 当時確か「地味な映画ながらじわじわ人気になっている」と評判を聞いて見に行ったと思うけど、当時はまたアメリカへ行ってないしアメリカ文化への反発もあり「雰囲気は出てるけどさ…ケッ」みたいな感じだったと思う。そんな私がNYへ行ったのが2002年。もうすっかりドハマリし、数か月後に再訪したほどだった。舞台になったプロスペクト・パークもその時訪ねたけど映画の記憶が曖昧だったし街を見ても「そういえばこんな感じだった…かな?」という程度。映画をちゃんと見ておくんだったと後悔したのだった。

 そして20年ぶりに再見した作品、もう何から何までほとんど忘れている…何しろ主役がウィリアム・ハートだったことすら忘れていたのだから(爆)そして彼が妻を事件で亡くしてスランプに陥っているとか、ハーヴェイ・カイテル演じるたばこ屋がキューバ葉巻の密輸でひと儲けしようとしてるとか、細かな設定を忘れているというより当時全く理解していなかったということがわかった。本当何見てたんだ私。

 そんなわけで、ほとんど初見状態で鑑賞したのだが、NYに行った身からすると街の雰囲気が少し違うよな…と思っていたらこの物語は設定が70年代だった。道理で街がレトロなわけだ。それに今の人は劇中の人みたくたばこばっかり吸ってないし、街角のたばこ屋兼よろず屋みたいな店はほとんどないし。そしてポスターに出てくる、黒人のおばあさんに頬を寄せるハーヴェイ・カイテルの意味もわかったし。とにかく、昔見て記憶もおぼろげだった夢を見なおしてきちんと理解できた、みたいな充実感があった。

 今度プロスペクト・パークへ行ったらたばこ屋の建物をちゃんと確認してこよう。NY行きのモチベーションにしたい。

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イップ・マン 継承

 GWに軽い気持ちで見に行ったらその日の最終回まで満席で入れなかった作品、なんとか駆け込みで見ることができた。シリーズ3作目だけど、前作がいつだっけ…あの頃なぜか、イップ・マンを題材にした作品がいくつも同時期に公開されて何が何だかわからなかったのを覚えている。自分が書いた過去記事を検索したら、このシリーズの感想は書いてなくて、黄秋生がイップ・マンを演じた作品の記事だけ書いていた。

 でも3作品も作られてるし、やっぱりドニー様の作品が本流かな。前作を見たのがたぶん2011年、あれから6年たってドニー様はあまり変わってなく、かえってアクが抜けてすっきりした感じ。メークでかなり修正してるのかもしれないけど(笑)そして前作では若すぎるように感じられた奥様役の女優さんもいい感じに落ち着いて、シリーズ作の余裕が感じられる(笑)そして、今まで気づかなかったけど奥様役の人がすごい背が高い!夫婦で並ぶと奥様の方が頭一つ抜き出ている。顔のアップだとはんなり系なのでギャップに驚いた。

 そしてこの作品にはなんとマイク・タイソンが出てる(爆)現役時代は、頭より太い首回りに驚いたけどこちらもいい感じに肉が落ちて落ち着いた感じ。そんなタイソンと対決するイップ・マン(爆)実際にカンフーとヘビー級ボクサーで対戦したらどうなるんだろうね。どうなることかと思ったがお互いをリスペクトした感じで対決は終わり、真の対決は別の人と行う。なるほどねー。もっと色物・悪役的な扱いかと思ってたので感心すると同時にほっとするというか。

 この作品はブルース・リー役も出てくるし(前作を見た頃、ブルース・リーの映画もやっていて時代がかぶっている)、同じイップ・マンを取り上げた「グランド・マスター」のことを思い出したり、いろんな意味でここ10年くらいの時の流れが感じられる体験だった。

 今回は、奥様が亡くなってその後も詠春拳は続く…みたいな感じで終わったけど、その先も永遠にシリーズが続くような気がする。いや、続いていってほしい。

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夜の終わりに

 連休中、街の映画館の混雑ぶりに辟易していたが、川崎市民ミュージアムでポーランド映画祭をやっていたのを思い出し、行ってみることにした。場所が不便だからたぶん激混みじゃないと思うし。作品は、時間の都合だけで選んだ「夜の終わりに」アンジェイ・ワイダ監督には珍しく恋愛映画だそうなので、力を抜いて見られるかなと。

 まずは、全編に流れるジャズがおしゃれ~そして主人公の男性がかっこいい。モノクロ映画だけど、彼の髪の色はたぶんプラチナブロンド?ポーランド人でブロンドってたぶん珍しいと思う。本業はスポーツ医ながら夜はジャズバンドのドラマーやって、一人暮らしをエンジョイしてて、と60年代イケイケな感じが微笑ましい。友人が目をつけた女の子を自分の部屋に連れてくるのだが、そこからの駆け引きも面白い。マッチ箱を転がして勝負するシーン、何テイク撮ったのだろうといらん心配もしたりとか(笑)

 普通に見ればヌーベルバーグ風の普通の青春映画なのだろうが、なにしろワイダ監督のことなので、何か秘めたメッセージがあるのだろう。解説によれば、戦争や動乱の傷が癒えて自由な雰囲気が出てきた時代を表現しているとのこと。

 ポーランドという国も、この時代も良く知らないので、不思議の国のおしゃれな恋愛映画という感想以上語れないけど、やっぱりヨーロッパの文化に憧れる。今度は襟を正してワイダ監督の他の作品も見ようと思う。

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牯嶺街少年殺人事件

 少し前に再見で見たけどなかなか感想が書けなかった。それほど、この作品は私にとって重い。

 私がこの作品を初めて見たのは1995年。自由が丘に当時あった映画館のアジア映画特集で、この作品が最終作品だった。この特集で最初の方に見た作品ですっかり中華系の映画にのめり込んでいたのだが、この作品は最後を飾るにふさわしい重厚さだった。とにかく、この特集と出会ったことで私の旅人生・映画人生はすっかり変わってしまった。それほど衝撃的な出会いだった。この特集のちらしは今でも持っている。

 その後様々な映画を見たのでこの作品のことはあまり思い出さなかったが、監督のその後の公開作は全て見に行ったと思う。リアルタイムに見られたことは、今振り返るとすごく贅沢なことだった。その後監督は若くして亡くなった。この作品が権利関係のトラブルでお蔵入りしていることも知らなかった。

 元々3時間の作品を4時間にし、高画質・高音質でリマスター、各種割引が一切きかないという鳴り物入りの再映に違和感はあったけどとにかく幻の作品に会えると気合で見に行った。

 まず、未成年同士の殺人の話をこれだけ丁寧に掘り下げて描いているというそのこと自体に感心。台湾は殺人とかが少なくて平和でまじめな国なのかなと思う。言っちゃ悪いけど日本ではさして珍しい話ではないから(呆)そして、世相を丁寧に描くことで、少年の行動の背景に不穏な世相があることがわかる。人は自分の意志で行動しているように見えて、世相の影響を受けて行動しているのである。監督のこの考えは、その後の作品の骨子にもなっている。

 時代を経て、自分も台湾の歴史などを少し知ってから見ると色々見えてくるものがあって面白い。主人公一家は日本風の家に住んでいるが、日本人住宅に住めるということはある程度エリート(父は公務員)だということや、両親は大陸出身で仲間同士で話すときは上海語を話してるとか、地元の老いたチンピラは台湾語を話しているようだとか、字幕だけ見ているとわからない色々なことに気づけた自分がちょっと嬉しい。あとは、この監督特有の丁寧な画面の作り方。4時間あっても飽きることがなく画面に集中できる美しさ。

 そして、主役の張震くん。この作品から成長していったんだよね。その後の作品はしかめっ面の辛気臭い役どころが多いけど、この頃のあどけなさが眩しく、愛おしく思える。その他の出演者のその後も知りたいな。成功した人もそれきりの人もいるだろうけどこの作品ではみんな輝いていて、人生を垣間見る思いだ。

 この作品と20年ぶりに再会できて、あの頃の自分と再会したような不思議な感慨がある。作品を見るとあの頃のこと、その後の中国との関わりなど思い出されてくる。今言えることは、幻の作品と言われるこの作品と20年前に出会えていたことは本当に貴重だったということだ。

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ラ・ラ・ランド

 この作品もまた、「今混んでるみたいだからもうちょっとしたら見に行こう~ロングランだからまだまだやってるし」と呑気に構えていたら上映館がどんどんなくなり、わざわざ遠目の映画館へ出かけて見た作品。でもやっぱり空いてる映画館でじっくり見られるのはいいな♪

 まず、主役の女優さんがパグみたいな顔だなー、そして相手役の男優はグレイハウンドみたいな顔だなーと思う。この二人で何度も恋人役を演じているそうだけど、丸顔と面長でたぶん絵的につり合いがとれる組み合わせなんだろう。

 色使いやセットはわざと舞台っぽくちょっとチープ目、ミュージカル仕立てで楽しそうに演出しているけど、ストーリーが結構凝っていて人生の深淵を感じさせるというところがミソなのね。ただのハッピーエンドではないとは聞いていたけど、こう来るか!とやられてしまった。

 個人的には、ラスト近くに延々再現される「もし、こうなっていたら…」の映像にすっかり打ちのめされてしまった。「この時失敗していたから今日の成功がある。失敗に感謝」みたいな、安っぽい負け惜しみめいた言い訳も吹き飛ぶようなタラレバの嵐。どこかの小さな選択、小さな躓き、小さな成功が今の自分を作っているのだけどね。

 自分も若い時はこのくらいの挑戦をしたかったけどかすりもせずおばさんになってしまった。でも今夢に向かって生きている若い子はよりぐっとくると思う。隣の席のギャル二人連れは嗚咽状態、終わってから「失恋並に泣いたわ~と言っていた(笑)若いっていいね。

 ところで最後にケチ付けだけど、宣伝で「『セッション』のデイミアン・チャゼル監督が送る~」と紹介しているけど世間で「セッション」を見た人がどのくらいいるのだろうか(笑)調べてみると、ほとんどこの2作くらいしか作っていない駆け出しの監督なのだ。すごすぎる。「セッション」もすごいからぜひ見てみてほしい。「セッション」の鬼教師役の人が予告編では笑顔満面で出ていてブキミだった(笑)のだが、本編ではやっぱりイヤミな役でちょっとほっとした(笑)

 とにかく、この作品もすごいので、時間をおいてまた見て消化していきたい。

 

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湾生回家

 ずっとたいと思いながら見そびれていた作品、やっと見ることができた。日本統治時代の台湾で生まれた日本人を追ったドキュメンタリー。今まで見てきた台湾映画で、台湾の人たちの日本に対する思いに触れる機会は何回かあったけど、実際に住んでいた日本人がどう感じていたのか知りたかったので興味深く見た。

 作中で取り上げられている方々は、台湾にいい思い出を持っている人たちばかり。これはやはり、台湾が素晴らしいからというよりは本人たちが台湾で生まれて幼少期を過ごしているという刷り込みの方が大きいのだろうと思う。大人になって移住して、引き揚げてきた彼らの親世代は、こういう思い入れ方ではないような気がする。そして、簡単に行けない(今は比較的簡単に行けるが)遠い場所だからこそ、余計に思いが募るのだろうと思う。

 もちろん、台湾という地域が持つ温かさ、のどかさなどもあって余計ノスタルジックに感じるのだろうが、人間は生まれて最初に過ごした環境にすごく影響されるのだということがわかった。

 私にとっては、神奈川がそれに当たるけど、気が付けば短大入学を機に生まれた場所に近いところに戻ってきていた。そして、老後はこの辺で過ごすのもいいなと思うこともある。やっぱり生まれてすぐの環境ってすごい影響力があるのだ。

 湾生の方々の、台湾への熱い思いに打たれた。今は自由に渡航できるから、どんどん交流して統治の負の面を払拭できれば、そして新しい交流の歴史になっていけばと思う。

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愛と哀しみの果て

 自分が若い頃大流行りして、タイトルだけ知っていた作品。現代が"Out of Africa"でアフリカが舞台のロマンス物らしいということしか知らず見に行った。

 便宜上の結婚を機にアフリカに嫁いで来た主人公が、夫が放棄した農園経営や、婚外恋愛を一生懸命に頑張る話。メリル・ストリープ演じる主人公の女性が、当時ではあり得ないほど自分をしっかり持った女性で感心すると共に、この調子じゃさぞかし生きづらかっただろうなと思う。アフリカでの生活は過酷だが、彼女が自分を発揮する舞台としては良かったのかも。そして恋人役のロバート・レッドフォードがかっこいい!最近の、顔がボロボロになった姿しか知らなかったのでなるほどねと感心。彼の役どころがかっこ良すぎ。あと、女だてらに牛の編隊を率いて野宿しながら平原の旅をして、ライオンを鞭で追い払ったりとかなんだかマンガのようで本当かなと思う。原作は作者のアフリカ生活を基に書かれているけど、フィクションも多いのかなと思う。

 でもやっぱり、アフリカの風景はすごい。例えがチープで申し訳ないけどアフリカ版「風と共に去りぬ」のような感じ(ほめ言葉です)アフリカの雄大な風景とロマンスにすっかり酔った。それと共に、原作者が実際はどういう生活を送っていたのか興味がわいてきた。これから少しずつ調べて、理解を深めていきたい。

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シコふんじゃった。

 結構有名なのに見そびれていた作品、やっと見ることができた。1992年公開だってばよ、なんともう25年前になるんだ(驚)

ストーリーはなんとなく想像つくし、その後の「Shall we ダンス?」は香港の映画館で見た思い出の作品。見ていくうちにそこかしこに「Shall we ダンス?」の原型が見てとれて微笑ましい。田口浩正とか竹中直人の役どころも同じだし。そういえば竹中直人は「Shall we ダンス?」でも青木という役名だったと後で気づく。

 後は90年代ファッションが懐かしいとか、柄本明が若いとか(笑)、本木雅弘の弟さん役の人が結構かわいいのに全然知らない役者さんで後で調べたりとか(私が知らないだけでずっと役者さんをやっているようだ)、素人なのにあまりな熱演のマネージャー役の女性のその後が気になったりとか、時間がたった今見ると違った意味で気になることが多い作品だった。

 「ファンシィダンス」も未見なのだけど、当時の周防監督の勢いを改めて思い出させる作品だった。そしてこれが「Shall we ダンス?」に繋がっていくんだよね。あの頃の空気感が懐かしく思い出された。

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怒り

 知人が絶賛していて、見なきゃと思っていた作品。しかしタイトルからして壮絶そう。恐る恐る見に行ったけど…違った意味ですごかった。逃げた殺人犯かもしれない男の話が、3か所で同時進行する。どの人も犯人なような、そうでないような。よくこういう設定・手法を思いついたなと感心する。

 名役者揃いのうえみんな大熱演。宮﨑あおいは苦手だけどやっぱりすごいなあ。キャスティングも超ナイス。犯人候補の3人、顔や雰囲気もなんとなく共通点があってこの3人を揃えられたのが成功の秘訣だと思う。沖縄の男の子役の子もリアリティがあって良かった。ストーリーも凝っているし、いろんな意味で重厚さがすごい。原作は読んでないけど、どう書かれているのかな。

 すっかり圧倒された。時間をおいてまた見てみたい。

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